Concept
「汎」という名を冠して。
「汎」という言葉は、
英語の接頭語「pan」の音訳で「広くすべてにわたる」という意味。
地域や習慣を超えてあまねく広がるイメージを有します。
建築とは、人々の生活に切っても切れないもの。
何が本質であり何が個性なのか、
「汎」の名にふさわしい、
その最高の答えを導き出すのが私たちの仕事です。
「汎」は、1973年の設立より社名として一貫して用いています。広く行きわたる設計思想で地域と調和することにより、建築は初めてその場所で、個性と文化の一翼を担う事が出来ると思います。つくりだしてゆく建築が地域と馴染み、象徴するものとなり、世代を超えた普遍的な価値を継いでいくこと…それが私たちの目指す建築の姿です。
多様なニーズがある中で、私たちがマーケティングからデザイン、アフターフォローまで包括してプロジェクトに取り組むのは、そのような「広く行きわたる」思想を大切にしていきたいと考えているからに他なりません。
「汎」と言う会社の名前には、「広く行き渡る」という意味と、あえて得意分野に特化せずに幅広い分野に挑戦しようという意味が含まれています。時代の変化にも柔軟に対応し、何事にも果敢にかかわろうとする創業者の意志がそこにはあります。なぜならば、多様な人間の営みの源には必ず建築があり、建築は人間にとっては切っても切れない関係であると考えられるからです。狭い意味での「建築・建物」の概念に固執するではなく、人間の営みを包括する問題を含んだ、「建築・文化」から考えようという思想が「汎」の名を用いる姿勢には含まれているのです。
事実、汎設計は多様な分野の建築を手がけてきただけではなく、事業のコンサルティングから完成後のアフターフォローまで、設計・監理の枠を超えて様々なプロジェクトに関わり成長してきました。そのように向き合い臨むことにより初めて、多面的な解決策を考察でき、豊かな建築空間の創造が可能となるのではないかと思うのです。そしてその向こうには建築に携わるものとしての都市文化への貢献という目標をしっかりと捉えています。
人々に愛される建築物は喜び・驚き、感動を与え、心を豊かに幸せにします。洗練された建築物はまちを刺激し、活性化させます。私たちは想像力と感性を磨き、検討を繰り返すことで、その場にふさわしい建築のあり方を追求してきました。
現在、私たちの世代が中心となってプロジェクトを牽引しておりますが、先輩たちのファンダメンタルな思考とその方法、理念はしっかりと受け継ぎ、発展させております。
これからも様々な方との御縁を大切に、つながりを継続させ、成長を続けて行きます。あらゆることに積極的に取り組み、向き合い、時代の変化や未来予測を正確に掴んだ提案を迅速に行うことで「依頼してよかった」、「また一緒にやろう」、と思われる集団でありたいと考えます。
代表取締役 一級建築士 犬伏 淳